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「う!!ううっ!!うううっ……!!ぐううううっ……!!」
(くっ、苦しいっ……!!)
がむしゃらにかぶりをふり、不自由な身をよじって、姫は激しくもがいた。
後ろ手に縛られ、さるぐつわを噛まされて、首を絞められている状態だ。
その苦しさと言ったらない。
「……ううううっ……!!ぐううううっ……!!」
拘束と息苦しさから逃れようと、姫はさるぐつわを噛まされた顔を左右にふり、くぐもった声で呻いた。
姫の苦しむ姿を見て、男たちが小気味よさそうに笑う。
「くくく……いいザマだな。薔薇の妖精姫ともあろう者が抵抗もできぬとは……」
「無力もいいところだな。くくくくく……」
「……ううっ……ぐうっ……!!」
男たちの嘲笑を聞きながら、姫は気を失った。
どのぐらい時間が経っただろう。
長い睫を震わせて、姫はうっすらと目を開いた。
見知らぬ豪華な宮殿に、姫はいた。
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