第2章

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「姫さま、私は1日も早く姫さまの呪いを解きたいと思っています」 苦渋に満ちた選択から逃れるように、レイチェルが話を戻した。 「その必要はなくてよ」 プイとそっぽを向いて、シャルディアラはレイチェルに冷たい横顔を見せた。 「姫さま……」 レイチェルが、カツンと一歩前に出た。 彼の熱い眼差しが、横顔に突き刺さってくる。 レイチェルがシャルディアラのためを思って苦言を呈しているのは、わかっていた。 彼が、情熱的で頑固な性格だということも…… どこかで折り合いをつけなければ、水掛け論になってしまう。 「わかったわ、レイチェル。呪いは解くわ。解けるかどうかわからないけど、呪いを解く方法を捜すわ」 「姫さま……」 あからさまに安堵の表情を浮かべて、レイチェルがホッと息をつく。 「ただし、邪悪な精霊族をすべて滅ぼしてからよ。それまではこの呪いを最大限利用させてもらうわ」 「……承知しました」 不服そうな表情をありありと浮かべながらも、レイチェルは言った。 どこかで譲歩しなければならないのは、レイチェルにもわかっているのだろう。 勢いよく水を吹きあげる庭園の噴水に視線を馳せて、シャルディアラはまた昨夜の謎の男のことを考えていた。
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