第3章

4/41
前へ
/288ページ
次へ
邪悪な精霊族もたくさん招かれてはいるが、いずれも小者ばかり、シャルディアラがわざわざ退治するまでもないように思えた。 放っておいても、そのうちどこかの聖なる種族に打ち滅ぼされるだろう。 シャルディアラにかけられた呪いのことも、シャルディアラが邪悪な精霊族を次々と退治していることも、今や〈水晶宮界〉中に知れ渡っている。 強大な魔気を持つ邪悪な精霊族は、シャルディアラを避けているのかも知れない。 それにしても……と、シャルディアラはいささかうんざりして、自分を取り巻くあまたの貴公子たちを見渡した。 シャルディアラと愛しあえば、聖なる種族の貴公子は死んでまう。 それがわかっていながら、こんなにたくさんの貴公子が寄ってくるとはどうしたことだろう。 皆、熱く輝く瞳でシャルディアラをみつめ、彼女の歓心を買おうと躍起になっている。 命が惜しくはないのだろうか。
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加