第3章

9/41
前へ
/288ページ
次へ
薔薇色の羽根扇で口もとを隠して、シャルディアラは鈴をふるような哄笑を響かせた。 ダイアナの頬が、ぴくりとひきつる。 「ずいぶん詳しくていらっしゃるのね。諜報でもなさってるのかしら。お暇でいらっしゃいますこと」 艶然と微笑して、シャルディアラはゆったりと羽根扇をあおいだ。 露わになった唇には、冷やかな嘲笑が浮かんでいる。 「なっ、何ですってぇ!?」 ダイアナはサッと顔色を変えて、シャルディアラを睨みつけた。 「あたくしを侮辱する気!?あたくしにそんな口をきくとただじゃ済まなくてよ。あたくしのお父さまは〈水晶宮界〉でもかなりの権力を持っているんですからね」
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加