第3章

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(何かしら……) シャルディアラは、気になった。 獅子の精霊は聖なる種族、クラウドは邪悪な精霊族の壊滅に尽力している。 シャルディアラたちにとっては、いわば同志のような存在だ。 時と場合によって、協力してともに邪悪な精霊族を退治することもあった。 アドリアンのことは、クラウドにも伝えてある。 もしかしたら、アドリアンに関して何かわかったのかも知れない。 追いかけたい衝動にかられたが、舞踏会の途中で退座するわけにもいかない。 レイチェルが戻ってきたら彼から話をきこうと、シャルディアラが気持ちを切り替えた時、逞しい体格の貴公子が取り巻き連中をかき分けてのっそり姿を現した。 聖なる種族、黒馬の精霊の上流貴族サガンだ。 背後に、長身の貴公子ふたりを従えている。 「シャルディアラ姫。折り入って話があります」 サガンは、意味深な表情でシャルディアラを見た。 サガンも、邪悪な精霊族の壊滅に尽力している。 舞踏会の席で、情報交換することもあった。
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