Ⅵ ~ライバル参戦~

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「おばさんがいたら、ボクがいなくてもヒナはもう淋しくないね?」 「え?」  ヒナは驚いた顔を向けてくる。樹はふいと視線を逸らせた。 「……ヒナ、一人だと泣くから。昔から淋しがり屋だからね」  熱くなる顔をヒナに見られないよう身体をずらしながら、樹はぽつりと呟く。 「家庭教師も、おばさんが大阪に行ってからでいいよ」 「え、どうして?」  意味が分からないといった表情で、ヒナは目を丸くした。 「だって、おばさんと毎日逢えるわけじゃないんだから、ヒナだって甘えたいだろ?」  淡い微笑を浮かべた樹に、ヒナはきゅうっと痛いような顔をした。
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