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「ねえ、ヒナ? なんで今日もこの眼鏡男が一緒なの?」
高等部の校門前で、いつものようにヒナを待っていた樹の第一声に、ヒナは困惑顔で口籠もった。
「……なんでだろ?」
ほとほと困り果てた顔をしてヒナは黙り込んでしまう。
すると、隣にいた類が威圧的に樹の前へと立ち塞がった。
「聞きたいか、小学生。教えてやるよ。ヒナと俺は付き合うことになったから、これからずっと一緒に帰るんだよ。理解できた?」
したり顔で告げられたその内容に、樹は眉をひそめた。
「……ヒナ?」
この男の言葉は信用ならないとばかりに、樹はヒナに答えを求める。
訝しげにヒナを見上げる樹の双眸には、爆発寸前の怒りが滲んでみえた。
「何言ってるの、類ちゃん!? 樹くん、信じちゃダメだからね。イジワルな類ちゃんの罰ゲームなの」
ヒナは目の前で両手を振り、あんな卑怯な冗談無効に決まってる。と否定する。
ヒナの言葉に、類は「罰ゲームって思ってた!?」と、いかつい顔をムッと顰めた。
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