Ⅷ ~疑惑~

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         ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「え? 病院?」  食べ終わった食器を引きながら、樹はきょとんとした顔を向けてくる。  ヒナは、冴えない憂鬱顔で食器を洗いながら「うん」と答えた。 「じんましんがね、またひどくなってきちゃって。ちょっと怖いから、この後病院行ってくるね」 「……ふーん。ちょっと見せて」  手にした食器をヒナに渡すついでに、樹はヒナが着ているトレーナーを背中からペロリとめくる。  突然感じた外気の冷たさに、ヒナはビクッと飛び上がった。 「きゃっ!? ウソッ、ちょっ、そんなにめくらないで!!」  ブラが見えてしまうほどめくられてしまい、びっくりしたヒナは、手にした食器をつるんと落としてしまう。 「ぅわっ、危なっ!」  床に激突寸前で、樹が食器をキャッチする。  二人はホッと胸をなで下ろした。 「ったく、気をつけてよ。怪我するだろーが」 「……ごめんなさい」  怒られてしゅんとしてしまう。  樹は首を振りながら、 「まあ、ヒナのドジは今に始まったことじゃないけど。でも、怪我だけはやめて。頼むから」  不安で眦を吊り上げた樹の真剣な顔。  ヒナはきゅっと胸が掴まれた気がして、熱を持ち出す顔を樹から逸らした。
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