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Ⅸ ~樹vs純人~
Ⅸ
「で? 結局あれからどうなった!? あのガキとっ」
翌日、登校してきたヒナをとっ捕まえた類が、血走った半眼で迫ってきた。
危機迫る彼の雰囲気に気圧されながら、ヒナは口籠もりつつ答えを返した。
「……つ、付き合うことになりました……」
緊張に硬くなる声でボソリと呟く。
羞恥と戸惑いから、類の顔を真正面から見ることが出来なくて。
ヒナは赤くなる顔をガバッと机の上に突っ伏すことで隠してしまった。
「なっ! ウソだろマジかよ!? ああいう手合いはヤバいって! 考え直せヒナ! アイツ、絶対束縛キツいぞ!?」
――――うん。私もそんな気がすごくする。
類の悲痛な声に、ヒナは心の中で何度も頷く。
「チッ。エロガキだからすぐ手ぇ出してきそうだし。なんであんなクソガキが……ちくしょーっ」
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