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ヒナが購買横で、樹と純人の二人を目撃した、少し前。
樹はいつものように高等部の校門前でヒナを待っていた。
その時、目の前の道をこちらへ向かってくる男に気付く。
――――ああ、あのオニイチャンは。
樹の相貌に老獪な笑みが浮かんだ。
「……鷹城樹。ちょっと顔貸せ」
パーカーにジーンズといった私服姿で、眉間に深い皺を刻み、鋭い眼光で樹を見下ろすのは、ヒナのクラスメイト・間宮純人だった。
「いいよ」
にっこりと、樹は子供らしい無邪気な仮面を顔に乗せ、そう答えた。
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