終章 ~悪魔の洗脳?~*おまけイラストつき

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「こ、こっち来ないでっ! い、樹くん、おかしいっ! ちゃんと答えてっ、私になに、」 「……ヒナァ、ボクは知らないっていってんの。ボクがウソ吐いたって思ってるんだぁ? 心外だなー。じゃあなに? ヒナはボクが何をしたって思ってるワケ?」  畳みかけるようにしてヒナの言葉を遮り、樹は眉根を寄せた不機嫌面で質問を返す。 「え」 「ボクはただ、ヒナが酸っぱいモノが欲しいって言うから、もしかしてって勘違いしただけなのに。じゃあ何? ボクがヒナに何したって言うの? 事細かに説明してくれないかな? ボク、よくわからないなー」  居丈高に腕を組み、「オラさっさと答えやがれ」といわんばかりの顔で睥睨してくる樹に、ヒナは言葉に詰まった。 「黙ってないで答えろ。ボクがヒナにナニしたって?」  ――――い、言えるわけない……!  顔から鎖骨にかけて一気に朱を刷き、ヒナの肩がぷるぷると小刻みに震え出す。  羞恥に震えるヒナを、樹は濡れた双眸をすっと細めながら満足げに眺めている。  乾いた唇を舐め取る仕草もひどく艶めかしくて。  恥ずかしくて見ていられないとばかりに、ヒナはさらに紅潮した顔を樹からむりやり引き剥がした。 「ほら、黙ってないで言えよ」 「い、樹くんはイジワルだ……っ」  ぎくしゃくと大きく頭をひとつ振って、「答えられない」と訴えるのだが。 「ボクの言葉を信じてくれないヒナが悪い」  ヒナの訴えは、無情にもばっさりと樹に切り捨てられる。
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