2643人が本棚に入れています
本棚に追加
/207ページ
「さ、話はもう終わり。ヒナ、ちゃんと休んでないとダメだからね。朝ご飯はボクが作るから、そこで大人しく待ってな」
樹は宥めるようにしてポンッとヒナの頭に手を置くと、そそくさとキッチンに戻ってしまった。
なんだか話をうやむやにされたような、煙に巻かれたような、そんな感じがしないでもない。
けれど、樹の言うことに間違いはないという今までの経験がある。
いつも樹は、冷静に、的確に、物事を判断し、ヒナに正確な情報を与えてくれる。
ヒナの母までも『ママがいない間は樹くんの言うことを聞いてなさい。あの子の判断は間違いないから』とまで言わしめるほどだ。
そんな彼が自信たっぷりに言うのだ。きっと間違いないだろうと、ヒナは腑に落ちないながらも納得することにした。
最初のコメントを投稿しよう!