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「ガキ、お前ちょっとヒナに纏わり付きすぎじゃねえ? ガッコのトモダチとかと遊べよ」
嘲りの言葉に、樹は無邪気にニコッと微笑むと、類の傍にトトトッと近寄っていく。
そして、樹はヒナからの死角であることを確認すると、スッと双眸を細め、射殺すほど鋭利な眼差しで類を見据えた。
「……ガキって言ったな? 殺すぞお前。ヒナに纏わり付いているのはお前の方だ。邪魔なんだよ。……消えろ」
ドスの効いた樹の低い声。
ヒナには聞こえないように、樹は牽制の言葉を吐く。
「はあ!? 殺すとか邪魔とか消えろって……怖っ、なにこのガキ!?」
樹の言葉にぎょっと目をむいた類は、思わず後退ってしまう。
「ヒナッ! この男、怖いこと言う!」
くるりと後ろを振り返り、樹はウルウルと瞳を潤ませながら類が悪いとばかりにヒナに縋り付く。
「え!? ちょっと類ちゃん、樹くんに何言ったの!?」
「は、はあっ!? 怖いこと言ったのそこのガキだろーがっ!」
「ボク知らない」
つんと顔を背ける樹に、ムッと顔を顰めた類は行動に出た。
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