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廃ビルの屋上で、あと一歩進めば落ちる様な場所で少女は足を踏み出したその様子を見て動かない程俺は人でなしでは無かったようだ。
少女が進むと同時に俺は走ったのだろうその時は訳もわからなかった、ただ少女を助けた事は確かなようだ。
「あんた名前は?何で死のうとした?」
少女は口を開かない。
「黙ってちゃわからんから話してくれんか?」
少女は口を開く。
「か、川内 麗」
か細く直ぐに消えてしまう様な綺麗な声で答える。
「川内さんね、俺は松野 潤、なんで死のうとした?」
彼女は口を閉ざす
「言えないならいいけどさ」
ここまで黙秘されては諦めるしかなかった。
「この辺は人通りが少ないから変な輩湧いてる家まで送るよ、歩ける?」
俺は異性に対してここまで出来る自分に驚いたが彼女の言葉にも驚いた。
「か、帰りたく...無い...」
目の前の少女は確かにそう言ったこんな言葉を聞く事は死ぬまであり得ないと思ったがまさか自殺未遂の少女から聞く事になるとは自分も思わなかった。
「川内さんも同じか」
そう言うと彼女は驚いた顔した
「貴方も...私と同じよ「いや全然違う」
彼女の言葉を遮る
「俺は成績が悪かったから帰りたく無いだけ」
と言い笑かけると目の前の少女も少し笑った気がした。
廃ビルの屋上に花が咲いた様だった。
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