視線に気付いて

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「君は……何でここに?」 状況が掴めないのか首を傾げると、少し野暮ったく感じる癖のある前髪が揺れた。 「……なんでか、当ててみてください」 いないのをいいことに隣の教師のイスを引き、座った。 今時見ない分厚い眼鏡。 背は高いけれど猫背気味なせいでそうは感じないスタイル。 頼りない喋り方も手伝ってか学園の生徒からは笑われているたっちゃん。 「そう、ですね……担任だった水無月先生になにか相談があった、とか」 真面目にそう答える。 確かに水無月先生は生粋の姉御肌で、卒業してからも恋愛、仕事、学業まで相談しにくる友達もたくさんいるからそう思うのも不思議じゃない。
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