視線に気付いて

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「それだったら職員室行きますから。 わざわざ職員室をスルーしてここに来た理由を考えてくださいよ」 机に肘をつき、にこりと笑って尋ねた。 たっちゃんは少し押し黙り、自分の机に向き直るとまたパソコンを打ち始めた。 「……わかりません」 小さくそう言った。 西陽が大きな窓から差し込み、眼鏡に反射する。 さっきまでうるさいくらいに聞こえていた笑い声がだんだん小さくなっていく。 ……ホントは、わかってるくせに。 ふ、と小さく息を吐きたっちゃんを見つめた。
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