切除

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捨てるのは いらないからじゃない。 大切だから 捨てるのだ。 大切で 自分の中で とても大きなものだから。 それを抱えたまま 歩いていくことは できないくらい。 このままでは あたしはずぶずぶと 大切なものの重みで どろどろの悪夢の中に 頭のてっぺんまで沈んでしまう。 でも大切なものだから 傷はできるだけ つかないように 終わりにしたい。 そんなことを考えながら 私は両親に頭を下げた。
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