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◆
『会えないかな』
携帯電話越しの彼の言葉に
頭が真っ白になりかけた。
大学のロッカールーム。
ミホたちと食堂へ
向かっていた私は
桜介さんからの着信で
ひと気のない場所を探し
ひとりでここに来た。
「なんで、ですか……?」
『うん。
寿々花がどうも
悩んでいるみたいで』
「お姉ちゃんが?」
『奈々緒ちゃんに
避けられてるかもって』
ひゅっと
喉が鳴った。
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