1619人が本棚に入れています
本棚に追加
「出発は……変更できない」
「じゃあ式に合わせて
こっちに帰ってくるのか?」
「……お金かかるし
そんなに休めないかも」
「奈々緒……
お姉ちゃん、泣くわよ」
わかってる。
それでも私は
姉ごといまの生活を
切り捨てると決めたのだ。
私が息をする為に。
一秒でも早く
“いま”を抜け出さないと
自分で締めた首のせいで
呼吸もままならず
細胞が壊死して
腐り落ちてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!