2508人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶり。」
「大翔、相変わらずね。」
羽田まで迎えに来た俺に、ちひろはハグをしてくれた。
彼女から俺に触れてきたのは、見送りの時に手を引かれたくらいで、その前は幼い頃まで遡らないと皆無だ。
「久々の日本を満喫してよ。車で来たから荷物載せよう。」
行きたいと言っていた銀座界隈と新しくなった東京駅を巡って、食事をして俺の家へ。
どういう訳か、今回彼女は俺の家に泊まるらしい。恐らく母親のせいだとは思うけど、年頃の男が2人もいる我が家に泊まるなんて……ってこういうことを考えたりするから、きっと彼女は俺を好かなかったのだろう。
中学を出てから、すれ違ったとはいえ告白をしてくれたこともあった。
もうその頃の気持ちは無効なのかと確認したくて仕方がない。
俺は、今でも好きだから。
アメリカを発ったあの日言った言葉は、まだ生きている。
最初のコメントを投稿しよう!