第8話

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「うち、来ればいいんじゃない?」 「え」 「もし良かったらだけど、この近くなんだ。 最終バスがもうすぐ来ると思うし」 ええっ? そ、それは、 「いや、でもそんな急に伺うとか、 先輩のご家族の方に……」 迷惑かける訳には……、と思いっきり両手を左右にバタつかせるも--- 「俺、一人暮らしだから」 ---キョトン顔で私を見つめ返す先輩。 「え、……いや、えっ……と」 しどろもどろの言葉で何とか先輩に答えようと声を出す。 えっと? ……なんでこんな展開になってるんだっけ?…… わけがわからないぞ。 先輩に再会して、頭が沸騰しそうなのに、 それ以上に先輩の部屋に呼ばれるとかそんなのそんなの…… って、、 ……あれ? 「せ、先輩っ、 いつ日本に帰って来られたんですか?」 「え?……ああ、今朝だよ。 高嶺に連絡しなきゃと思ってたら、 本人に会えちゃったみたいだね」 「…………」 ……みたいだね……って…… ”なんとも、仕方なく会えちゃったね”って感じがする言い方ですが、 まあ敢えて気にはしません!! 私は打たれ強い子なんです!! 「と、いいますか、 先輩って、大学の頃は実家暮らしでしたよね? 一人暮らしって、いつ……」 「高嶺、話の続きは俺の家で。 終バス乗り損ねそう」 「あ、えっ?」 先輩が混乱したまま動けないでいた私の手を取って、走り出した。 ……え? 走るっ!? 手~!? 手を繋いでって、えええええ~~~!?!? なんとも素敵な夜の街へと ランデブーしそうな展開じゃあないですかっ!!
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