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僕が彼と出会ったのは、この陽明館学園での入学式の時だった。
一人部屋で日課となった勉強をしていた。
「そろそろ休憩にしようかな」
そう言って僕はシャーペンを置いて、背伸びをする。
時計を見ると時刻は8時40分。
(ちょっと飲み物買って来ようかな?)
そう思った僕は椅子から立ち上がり、机の引き出しから小銭入れを取りだすとポケットへとしまう。
玄関へ向かう途中、チラリと視界の端に見えた鏡に無意識に視線がいく。
そこにはコンプレックスだらけの自身の姿が映し出されていた。
肩甲骨辺りまで伸ばした黒髪に、左右に分けてピンで留めた長い前髪。
女子みたいな華奢な体つきに低い身長。
そして童顔と垂れた瞳をしている。
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