プロローグ

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しかし、自室へ招き入れたのはいいものの僕たちには会話など無く、既に三十数分は経過していた。 (何か話さないといけないのに、何も浮かばないよ。………そ、そうだっ。まだ彼の名前知らないから今のうちに聞いておこうかな) 思い立ったら即実行。 僕は意を決して彼に名前を訊ねかけた。 「あ、あの……。……君の名前………聞いてもいい、かな……?」 (言えたっ、言えたよ僕) 心の中で自分自身を誉めながら、彼の言葉を静かに待つ。 「俺は日向 大我。……新入生だ」 日向 大我と名乗った彼は、無表情のまま淡々とそう告げる。
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