第6話

2/20
前へ
/34ページ
次へ
洋介の後ろ姿がどんどん滲んでいく。 ・・・胸が痛い。 いつもなら振り返ってくれるのに・・・・・。 洋介は一度もワタシを振り返らなかった。 「帰ったならただいまくらいいいなさいよ?」 玄関で靴を脱いでいるとお母さんがワタシ背中に声を掛けてきた。 頷く事しか出来ない。 口を開けば、泣いてしまう。 『じゃ、オヤスミ』 そう言った洋介の姿を目に焼き付ける様に、ギューッと瞼を閉じた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

574人が本棚に入れています
本棚に追加