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「・・・み、みのりちゃ~ん!先に行かないでよ!!」
下足に履き替えていると、息を切らせた香美(こうみ)ちゃんがワタシの肩を叩いた。
「あ。ごめん」
「ったく。どうせ工藤(くどう)がうるさく言ったんでしょ?」
香美ちゃんはココに通うようになってから出来たお友達。
「だって、あのひといい加減さぁ・・・はぁ・・・・」
「ま、みのりちゃんが『好き』だからなんじゃないの?」
「いや、いらない」
「即答って・・・可哀想ね工藤も・・・」
高校を卒業したワタシは製菓の専門学校に入学した。
もちろん夢はパティシエ。
『bouquet』に劣らないケーキを作りたいから。
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