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「……同胞…ね。最後に一つ言っとくけど、お前らみたいな人殺しに同胞なんて言われたくないね」
「……」
血を流し過ぎたせいで頭がぼーっとする。でもこのフードの人が敵じゃないという事はすぐ分かった。
「く、クソ!消えろ、この炎!!」
男はまだ諦めてないのか、炎を消そうと自分で風を起こすがそれでも消える感じはしない。
「あー、無理無理。その炎は俺しか操れないから……そのまま骨も残らないよ」
相手はどっちも人間。でもフードの人は僕を殺そうとした男を殺そうとしている。
「あ……の、待って、下さい!」
今にも倒れそうでフードを掴む事しか出来ないがそれでもフードの人は気付いて僕を見る。
「……お前、この凶悪殺人鬼を助けてあげろって言いたい訳?」
僕の考えてる事が分かるのか、僕を睨む。フードを深く被ってるせいで顔が見えないが棒つきの飴を食べてるようだ。不意に目が合う……人殺しの目だ。
「い、命まで奪う必要はないと、思います」
「…………ふん。どーなっても知らないからな、お嬢さん」
あぁ。また僕を女の子だと思ってる……あ、安心したら意識が…
ここで僕の意識は途切れた。
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