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「…………んんっ」
目を覚ますとまず最初に見えたのは白い天井、そして薬の匂い。
自分の身体を触ってみる。すると腕と足から激痛が走った。だが、何故怪我をしたのか覚えていない。
「……何で病院に?」
放心状態で居るとドアが開いて白衣を着た医者と看護師が入って来た。医者は随分と若く、三十代ぐらい。看護師は四十代ぐらいだ。
ちなみに僕がいるのは病室じゃなく処置室みたいな部屋だった。
「おぉ、気が付いたか。ここが分かるかい?」
「えっと……病院ですよね?でも僕はどうして病院に」
怪我をして病院に運ばれる前の事を思い出せない。誰かに会ってた気がしたけど?
「幸い、君の怪我は大したことがなかった。気を付けるんだよ」
お礼を言って僕は病院を出る。足の傷は皮が薄く剥がれてただけだったが腕はパックリと切れてて縫った。
「…思わぬ出費だ。明日、ハルに何て言おう……」
僕は時間を確かめようとポケットに手をつっこむと、何かの感触があった。取り出してみると棒つきの飴が入っていた。
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