第一章

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「おはよ、飛鳥!」 相変わらずな笑顔で僕を迎えるハル。ハルは僕の家族にとっても家族みたいな存在で幼い頃はよく泊まりに来ていた程だった。 「あ、おはようハル」 そう挨拶をしてさりげなく怪我をした手を隠す。その動きをハルは見逃さなかった。 「……飛鳥今、腕隠さなかった?」 やっぱりハルには隠し事出来ない。諦めて昨日の災難を話した。昨日の事と言っても何で怪我をしたのかは分からないままだ。 「…ふぅん。その話し、嘘だとは思わないけどさ……記憶とか大丈夫なの?」 「記憶は問題ないと思うけどなぁ」 どうして昨日の事を思い出せないんだろう。やっぱり病気かな? 「まぁ、飛鳥が無事で良かったよ」 ハルは少し照れくさそうに言った。頬がほんのり紅いのに気が付いて僕まで紅くなってしまいそうだった。
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