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「……………俺、何で生きてんだろ」
学校帰りのバスの中、少年はそんな事を呟いた。辺りは暗く深夜。バスに乗っているのも少年一人だ。
「はぁぁぁぁー……ダメダメ、あんまり暗くなったらハルに心配される」
そう言って自分の頬をぱちぱち叩いてもう一度自分を奮い立たせた。バスは近所でも大きい公園の横を通りすぎようとした時、異変は起こった。
ーーーーーーギィィィィィ
物凄い音を立ててバスは急停止した。少年は必死に前の座席にしがみついていた為、頭を打っただけで助かった。
「…ッ……何が起きたんだ?」
少年は立ち上がる。そして運転席へ向かった。運転手は何かに怯えたようにブルブル震えていた。
「どうしたんですか!」
「あ…あ…………ひ、人が…ま、真っ二つに!さっき、そこの公園で」
運転手は震えながら公園を指さす。
「……人が…真っ二つ」
少年は運転手が言った言葉をそのまんま言う。口に出すだけでも恐ろしい言葉…でも運転手は人が真っ二つになるのを見てしまったのだ。
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