第一章

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「そうそう。強くならないとな、飛鳥ちゃん…アハハハハ」 「また飛鳥をいじめる!今度という今度は許さないんだからね」 これも僕の日常。飛鳥という女みたいな名前に弱さ。まるで女みたいだとクラスメイトが言ったのをキッカケで飛鳥ちゃんと呼ばれるようになった。 僕を助けるハルはクラスでも人気者で友達にも困っていない。でも僕はーーーー友達所か居場所すらない。 つまらない。毎日がつまらない…もし僕に超能力があったらと思う自分が嫌になる。 ーーーー…ズキッ ふと、一瞬だけ頭が痛くなったがすぐ治まったので特に気にしない。 「飛鳥、聞いてる?」 いつの間にかいじめっ子は居なくなり、ハルが不機嫌そうに僕を見ていた。どうやらまた考え事をしていたようだ。 「あ、うん。ごめん」 「もぅ…それでね、駅前に新しくケーキ屋さんが出来たの!今度行こうよ」 平和だと思っている町。でも本当は平和なんかじゃなかったんだ。
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