第一章

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学校も終わり放課後。 「ねぇ飛鳥……本当に大丈夫なの?」 僕はひさしぶりに一人で下校する事になった。いつも一緒に帰るハルは生徒会の仕事で残る事になった。 「出来るだけ早く終わらせるから待ってても大丈夫だよ?」 「大丈夫だよ、ハル。僕だってもう高校生だし自分の家に帰るぐらい出来るよ」 そう言ってもハルはしばらく手を離してくれなかったが時間が近付くと諦めて離してくれた。 「気をつけて帰ってね、飛鳥!」 「うん。またねハル」 ハルと別れ、一人で下校。一人というのは心細くて不安になる。辺りも暗いし早めに家へ帰りたい。 「…………近道ならここか」 そこは細い道。暗いし危ないからとハルと一緒の時は少し遠回りをして帰る。でも今は一人だ。 「……行こう」 独り言のように呟いて狭い道へと入って行く。あまり人が通らないのか、ゴミが散乱している。
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