プロローグ~風子の手記

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玉砕覚悟の精神の是非はともかく、あたしは思う。 中途半端な甘えやわずかなためらいが、一番結果を悪くする。 第二次大戦下の神風特攻隊がいい例だ。 死ぬのはこわいという一方、お国のためと叫びながら出発していく。 彼らは強い想いを持って、想うがゆえに、かならずそれをなしとげる。 彼らが最期に叫んだ言葉は知らないけれど、それがきっと望んだ場所で、最後に帰る場所なのだろう。 今日、あたしは飛び立ちます。 恋という名の戦場(いくさば)に。
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