0人が本棚に入れています
本棚に追加
ウーウーという警告音は鳴り続けている。清水と尾野が7番ハンガーに着くと2人の隊員が駆け寄ってきた。
少し興奮しているようだ。
「隊長、ついに実戦ですね!」
少し楽しそうでもあるこの隊員は河原大樹少尉。元気があればなんでもできる、が口癖なことからTACネームはアントニオである。
「怖くないのか?」
「怖くないです!元気があればなん…」
バカやろう、と彼の口癖をさえぎりながら清水は愛機のあるハンガーの奥にすすんだ。
奥に進んだ清水たちの前には4つの機体があった。
F/A-42戦闘機。進みすぎたステルス技術とカウンターステルス技術などによる近接戦闘の発生に伴い第6世代戦闘機として日米共同開発された制空戦闘機。その特徴は新技術としてどこからか供与されたというERCという新機関から発生する変異粒子を使用したセンサーや粒子のエネルギーを使用したRPスラスターが従来のエンジンの補助推力として燃費の大幅向上を果たしていることや粒子による形状、材質によらないステルス性向上など多々あるが、末端の清水たちは詳しくは知らされていない。
清水は青色の海上迷彩に塗装されたこの謎だらけの機体に命を預けることに何度目かの疑問を持ったがすぐにそれを振り払う。自分は兵士だ。パイロットという部品にすぎない。
最初のコメントを投稿しよう!