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いまはなんとか残ったF/A-42が入れ替わりで後方支援にくる無人機などからのミサイルを近接誘導し敵機を抑えている。
ジワジワと防衛ラインを押し込まれているのであまり長くは保たないだろうが。
「ここまでの戦力差とは…」
清水は歯ぎしりした。
従来の戦法であるレーダーによる遠距離精密誘導ができれば日本はアメリカ以外には負けないはずであった。質でも練度でも勝っている。しかし中華連邦がレーダーを弱める技術をもってしまったためそれまでの戦術が一変した。数がものをいう時代に逆戻りしたわけだ。
先の大戦でも日本に必要なのは数だった。
「スカイノルン、リンクにより確認したF/A-42は27機しかいないが、全部か?もう50機は上がっていたと思うんだが」
『残念だが全部だ。レーダーにちらほら映るが、敵はミサイルの雨を降らせている。F/A-42でも回避は難しい。
君たちの任務は現在空域にいる味方機の第3防衛ラインへの撤退の支援だ。』
対馬は放棄する、ということか。と清水は思った。しかしそれは対馬からの市民の脱出が完了したということでもあるはずだ。不幸中の幸いとでも言うべきか。
「ルーカス、了解した。」
深呼吸をする。少し手が震えるが、大丈夫だ。
『ルーカス隊、もうすぐ戦闘空域だ。』
「ルーカス隊いくぞ!
ルーカス1、エンゲージ!」
『ルーカス2、エンゲージ』
『ルーカス3、エンゲージ…』
『ルーカス4、エンゲージっ!』
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