プロローグ

2/2
前へ
/8ページ
次へ
人間に備わりし【徳】という不思議な能力。 それは本来人間ならば誰しもが持っている不思議な力なのだが、ほとんどの人間はその力に気付かないまま生涯を終える。 特殊能力。確かに聞こえは良いものだがそれを手にした者は平穏な人生など遅れるはずはない。 命を脅かされることなど日常茶飯事である。 私はこの目で幾人もの若者が命を落としていく光景を見てきた。あまり気持ちの良いものではない。 かく言う私もその特殊能力に振り回されている一人なのだが……。 この戦争で私のような力に目覚めた者が兵器として利用されている。 嘆かわしい。 神は何のために私たち人間にこのような力を与えたのだろうか。 爆音が日を重ねるごとに近く大きくなっている。私の命もあと少しなのだろう。 もし私が死んだとき、この日記が少しでも人類の平和に繋がることを願う。 【美徳と悪徳】。この世を支配し対立している2つの徳が、いつの日か手を取り合って交わることを願う。 そしてこの世界に……… ロラン・ノートの日記より抜粋
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加