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その後
あの事件から1年、京は前のように賑わうようになってきた。悪霊は現れなくなりあの事件が夢のように感じてしまう。
兄上が亡くなり柳瀬川家は潰れ生き残った一族は兄上が望んだ通り自由に生きている。
「蒼様はずっと京に残るんですか?」
「いや旅に出るよ。白夜は橙夜と江戸に行くんだろ?」
「江戸に行くのは俺だけ。橙夜は京に劉と律と一緒に暮らすらしいです」
「そうか....お前たち双子が離れて暮らすなんてな」
兄上が死んでいろんなことが変わった。兄上が死んだのを信じられず京に残り捜していたりする一族は多くそれだけ兄上の存在は大きかったということを改めて感じた。
「それじゃあ、俺はそろそろ行きます。」
「道中気をつけろ」
兄上は生きろと言ってくれた。でも、俺は兄上にも生きてほしかった。何週間後の命でも兄上には生きていてほしかった。でも、それは無理なことはわかっている。
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