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兄上は理人を愛していることを知っていたから。そう考えるとこういう結末も悪くないそんな感じがした。
「さて....俺も行くか」
京を背中にして歩いていく。なんだか兄上に別れを言っているみたいだ。でも、兄上は僕の心の中にいる。
京を離れ一週間、俺は小さな村に着いた。そこは小さい村ながら賑わっていて京に負けないぐらいだ。
悪霊も消え人々の笑顔は絶えない。これが本当の平和なんだろう。
兄上もきっとこんな世界を見たかったはず。市場を見渡しながら歩いていると
「理人!こっち!」
「そんなに走ると転ぶぞ!棗」
見覚えのある2人とすれ違った。
振り返ってみたけどもうそこには姿はなかった。
ハハハ.....
顔は笑いながらも涙が溢れてくる。
今のは現実なのか幻なのかはわからないけどうれしい気持ちで胸がいっぱいになった。
俺は前を向き二度と振り返らなかった。
兄上....あなたの幸せを心から祈ります。
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