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「あー、…めんどくせぇな。……今日は授業ねぇから寮に帰るなりなんなり、各自適当にしてくれ。以上」
俺気づいた。
黒板に書いてあった、「適当に座れ」を書いたのはこいつだな!
素晴らしいやる気の無さである。
……っと、そういえば寮どうするんだろ、理事長室でも行くか。
「あ、おい…えーっと、そこの……黒髪ロン毛」
俺が立ったとき、皇帝が思い出したように言った。
…黒髪ロン毛?
周りを見回してみる。
……ロン毛、いない。
…………俺か!!
「ちょっと来い」
ちょいちょいと手招きされたので皇帝のもとまで行く。
名前覚えてないにしてもロン毛はないわー。
ひどくね?黒髪ロン毛とか。…いや、ロン毛だけどさ。
「担任なんだから名前ぐらい…」
「うるせーチビ。……お前名前は?」
チビって言った…!
チビって言ったなあああああああこいつううううう!!!
俺はちょっと睨みながら答えた。
「水瀬 春です。…それで、なんの用なんですか」
「ああ、これ。今から寮行くんだろ?カードキー。買い物とか食堂の支払いにも使う。なくすなよ」
「……どうも」
「部屋番号はそのカードに書いてある。…っと、寮長室には近寄らないほうがいい」
皇帝はそれだけ言うと教室を出て行った。
寮長…?
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