松下惣太郎の中学校時代

12/162
前へ
/162ページ
次へ
この悔いは全国大会で思いっきり暴れて晴らして来なよ。惣太郎の自慢のストレートを全国の奴らに見せつけてやんなよ」。 香穂は笑顔で惣太郎を元気づけた。 すると下を向いていた惣太郎も香穂の顔を見た。 (惣太郎)「そうだよな。サンキュー,香穂。お前に相談しなかったらもう1つ後悔するとこだったよ。俺は全国大会までにストレートをさらに磨く。それで全国の奴らとストレート勝負してくる」。 惣太郎の表情からは自信とやる気が感じられるようになった。 それを見た香穂も段々嬉しくなった。 (香穂)「うん,頑張って。応援してるからさ」。 (惣太郎)「おう」。 惣太郎は気を引き締めて全国大会に臨む事を香穂に誓った。     ◇◇◇◇◇◇◇ 南郷中は全国大会へ向けての練習をスタートさせた。 (慎太郎)「惣太郎,ナイスボール!!」。 ブルペンでは惣太郎がキャッチャーの慎太郎に向かって投球練習をしていた。 自分のストレートに磨きをかけるため,惣太郎はストレートを投げ続けた。 土居もそんな惣太郎の様子を見て手応えを感じていた。 (土居)「うむ…こりゃ全国でもある程度通用するかもしれんな」。 チームは順調に仕上り,全国大会の開幕がとても待ち遠しい状態だった。     ◇◇◇◇◇◇◇ 次の日,全国大会の組合せ抽選会の為,キャプテンの和晃と副キャプテンの惣太郎が顧問に連れられ会場へと向かった。 (惣太郎)「おい,和晃。頼むぞ。優勝候補の戸羽山のクジだけは引くなよ?」。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

279人が本棚に入れています
本棚に追加