松下惣太郎の中学校時代

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(和晃)「分かってるって。そんなに上手くいくわけねぇだろ?俺のゴッドハンドに任せとけって」。 和晃は少しも緊張はしていなかった。 (惣太郎)「大丈夫かよ…」。 惣太郎は何かが起こりそうな気がしてたまらなかった。 そしていよいよ… (係員)「続いて南郷中学校お願いします!!」。 名前が呼ばれて和晃が抽選箱へと向かった。 和晃は一息ついて箱の中に手を入れた。 箱の中から番号の書かれたカードを一枚引き出した。 それを係員に渡した。 (係員)「南郷中学校…11番です!!」。 係員に番号が発表され,南郷中学校の札が11番の枠に貼られた。 惣太郎は初戦の対戦相手となる10番を見た。 (惣太郎)「えっと…10番,10番…まだ貼られてないのかよ」。 対戦相手はまだ貼られていなかった。 和晃が席に帰ってきた。 (和晃)「どうだ?あの位置は」。 (惣太郎)「まぁ2番と3番引かなくて良かったんじゃねぇか」。 春季大会で全国制覇した戸羽山中学校はシードとしてあらかじめ1番の枠に決まっていた為,2番と3番の勝者が戸羽山の初戦の相手となってしまう。 その2番と3番を引かなかったので惣太郎は安心した。 すると和晃が… (和晃)「11番って事は…戸羽山と当たるのは準々決勝って事か」 と惣太郎に言った。 (惣太郎)「そうだなぁ。最後の夏くらい戸羽山とやって終わりてぇよな」。 惣太郎と和晃はそんな願望を頭の中に描いていた。
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