松下惣太郎の中学校時代

2/162
前へ
/162ページ
次へ
 1234567RHE 安000000 030 南000100 160 《実況》「さぁ!!南郷中学校,春夏連続の全国大会出場まであとアウト1つとなりました。マウンド上は南郷中学校のエース・松下惣太郎。県大会のここまでの試合は1人でマウンドを守っています。額からは溢れんばかりの汗が流れています。対する安祥寺中学校のバッターは4番・太良。前の試合で県の本塁打記録を塗り替えた強打者です。果たしてこの場面で意地を見せる事ができるのか。ピッチャーの松下。ここで太良を抑えて全国大会へ出場を決める事ができるのか。松下と太良が睨み合いました」。 球場は大観衆。 両チームのアルプススタンドからは声援がとんでいた。 試合は最終回を迎えていた。 2アウトでランナー2塁。 一打出れば同点,ホームランが出れば逆転の場面。 その大事な場面でマウンドに立っていたのは背番号・1,松下惣太郎だった。 惣太郎は既に息が上がっていた。 太良が打席に入った。 (太良)「ここで終わらせてたまるかよ!!最後の夏も南郷中に優勝はさせねぇ!!」。 太良は普段以上に強くバットを握った。 ピッチャーの惣太郎は表情を一切変えない。 内野陣も外野陣も一段と集中して守備位置についていた。 キャッチャーの浜辺慎太郎が惣太郎にサインを送る。 惣太郎は慎太郎のサインにうなずいてセットに入った。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

279人が本棚に入れています
本棚に追加