279人が本棚に入れています
本棚に追加
するとそこへ…
(香穂)「惣太郎!!」。
惣太郎は声を掛けられ後ろを振り返ると,そこには幼なじみの香穂がいた。
(香穂)「優勝おめでと!!MVPを獲った今の気持ちはどうですか?」。
香穂は右手をマイク代わりにして,笑顔で惣太郎の口元に近づけた。
(惣太郎)「まぁ…最高です」。
惣太郎はあまり乗り気ではなかった。
(香穂)「どうしたの?優勝したのに元気ないじゃん」。
(惣太郎)「別に。そんなことねぇよ」。
(香穂)「絶対何かあるでしょ!!あたしに隠し事しようとしても分かるんだからね?」。
香穂は惣太郎に問い詰めた。
しかし惣太郎は…
(惣太郎)「何でもないって言ってるだろ!!」
と,半分怒鳴るようにして香穂に言った。
そして惣太郎は香穂を置いて1人で歩いていってしまった。
(香穂)「惣太郎…」。
香穂の顔からも笑顔が消えて,香穂は惣太郎の歩いていく後ろ姿を黙って見送る事しかできなかった。
(香穂)「惣太郎,何があったんだろう…」。
◇◇◇◇◇◇◇
香穂はそのまま家に着いた。
(香穂)「ただいまー」。
すると家の中がなんだか慌ただしかった。
(香穂)「ん?何だろう…」。
不思議に思った香穂はキッチンに向かった。
キッチンのドアを開けてみると,テーブルには御馳走が並んでいた。
(香穂母)「あっ,香穂。帰ってたの」。
母親が迎えた。
(香穂)「お母さん,一体どうしたの。こんな豪華な料理作って」。
最初のコメントを投稿しよう!