1. 願い事は?

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流れ星が消えないうちに、願い事を三回唱えると、その願いが叶うという。 誰が言い始めたのか知らない。 その信憑性もあまりない。 だけど、願わずにはいられない。 「私の願いを叶えてください」と。 その願いがかなってもかなわなくてもいい。 ただ、誰かに願いたい。 そして、知ってもらいたい。 きっと、これだけ長い間語り継がれるのには、理由がある。 もしかしたら、願いが叶ったひとが、どこかにいるのかもしれない。 そして、ここにも一人、今まさに願い事をしようと、夜空を見上げる女の子がいる。        ◇ 渚は、部屋の窓から夜空を見上げて、流れ星を探す。 それでも、かれこれ三時間が経過。 ようやく見つけた流れ星は、願い事を唱える間もなく、あっさりと消えて行った。 「願い事言えた人なんているの?  流れ星のばかぁぁぁっ!  もっと、ゆっくり落ちろっ!」 その言葉が届いたのか、夜空にひときわ輝いた星が、ゆっくりと落ちてきた。
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