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「よしっ!今度こそっ!
私に素敵な彼氏を下さい。彼氏を下さい。彼氏を下さい。」
真剣な表情で、目を閉じ、腕を組んで念じる。
念じるだけでは物足りなくて、それらは言葉になって口から吐き出されていく。
「言えたっ!」
ガッツポーズで、喜んでいたのもつかの間。
開いた目に、願ったはずの星が映る。
なぜかまだ落ちずに飛んでいるのだ。
というか、こっちに向かってきてる?
「ん?」
疑問に思う間もなく、ぐんぐんと近付いてきた光の塊は、渚の部屋に飛び込んできた。
「ええっ?」
星って、部屋に落ちるの?
人間、許容範囲を超えた出来事が起きると、固まるらしい。
視線だけを光に向けたまま、渚はフリーズしていた。
まぶしくて直視できなかった光が、徐々に弱まってくる。
そして、ほんわりとした輝きに変わった頃。
光の正体が見えてきた。
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