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Mr.御劔はエバーライトによる怒濤の攻めを難なく防ぎきり、あまつさえ反撃して小さな傷であるが確かにつけたのだ。
「中々の速さだったけど、音速にも満たない高速機動ではなあ」
発光していているもののエバーライトの肉体への負担を考慮されているのか、限界速度が設けられているのでエフェクトの割に遅く感じる……というのは、御劔の主観である。
人間の反応速度では視認すら困難を窮めるというのに、対応している時点でおかしいのだ。パワードスーツを着用していなければ、特殊な機器を使用している様子もない男が、エバーライトを追い詰めている。
エバーライトは一撃離脱から距離を放した所で、掌に光を収束してビームにして発射するもMr.御劔のサーベルで切り払われ分散して周囲のコンテナに着弾して派手に爆発する。
「出鱈目過ぎるだろ!クソッ」
エバーライトは悪態つきながらも、動きを止めず爆発の炎を背景に悠然と立つMr.御劔に、高速移動で撹乱しながら多様な角度からビームを放射する。 頭上、後方、側面、何処へ避けても当たる絶妙な角度の光線を降らせる。
目にも止まらぬ早業、光線は全て弾けて霧散する。今度は爆発すら起こさず、片手に持たれたサーベルが光の熱量を蓄えて形を保てなくなり熔解して崩れてしまう。
「腐ってもHEROスーツ、Sランク適合者だけのことはある」
Mr.御劔は柄だけになったサーベルを胸の前で構えて、手を翳して伸ばす動作を行うと反りのない重厚な短刀が現れる。難しい書体で何か文字が彫られているが読み取ることはできない。
「せめてもの手向けだ……全力で葬ってあげよう」
先ほどまで腕の長さほどあったサーベルに代わり、現在手に持たれているのは僅か30センチにも満たない短刀、リーチは明らかに縮んだ。
しかし、エバーライトは己から発する光によって反射する刃の煌めきは酷く冷た、知らず知らずのうちに汗が滲んでくる。熱が奪われて寒気さえしてくる。
「だから、君も全力で抗いたまえよ」
Mr.御劔の口が動いて告げると、黒のコートがエバーライトに投げつけられ視界を塞ぐ。不意をつかれた直後に光線を放ち、コートを焼き払うが既にそこには誰もいなかった。
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