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「はじめまして、Mr.御劔」
「えーと、ないすとぅみーちゅー、えみ?」
御劔と呼ばれた男、つまりは俺の事なのだが外国のえらい別嬪さんに声を掛けられてテンパってしまったのか、相手がばっちり日本語で話しているのに似非英語と教科書的な受け答えをしてしまう。
つうか人通りの少ない道で、かつ街灯のほとんどない町外れの夜に相応しくない外国人美女が曲がり角から出てくるもんだから、大抵の事では驚かない俺も不意をつかれてビクッちまった。
しかし、冷静になって街灯に照らされる美女を洞察すると、薄暗い中でも異様さが際立っているのが分かる。
白いブラウスのひらひらした袖の感じが可愛いらしいが、ボタンを外していて、胸の谷間ばかりか形のよい乳房が露になるほどに開けている。下着は刺激的な黒、深いスリットの入った黒のスーツスカートをはいていて、白い肌とのコントラストにより過激さが百割り増しである。
んで金髪でスカイブルーというよりはグレーっぽい印象を受ける瞳に、丹精に造り込まれた美を思わせるパーツの数々に惚れ惚れとする。中途半端に着ている服が悩ましく、浮き出たボディーラインに何度もハンマーで叩きつけられるような衝撃を与えられてしまう。
この間、三秒くらい。
「なんの用さね、おねえさん?
俺に一体何の依頼をしに来たんだい?」
「あら、話が早くて助かるわ。
でも、此処じゃ誰かに話を聴かれるかもしれないから場所を移しましょうか」
外人のねえさんは日本人と同等かそれ以上に日本語を操れるようだ。
「うぃーわかった、ホテルでいい?」
「構わないけれど」
俺は振り向いて歩き出すと、彼女は着いて来る。俺の斜め右後ろから近づいて隣に並ぶと俺の右腕を取って組みついてくる。
「安心するといい。
俺あんたからお話を聴いて、依頼を請けるか降りるかをその場で決めて伝えるだけだ」
「あら残念。私これでもカラダには自信あるんだけどな」
「あんたのプライドのために言っとくと今すんげー反応してるよ。んでもだかねー。仕事が終わっても俺にキョーミあったら会いに来なよ」
「仕事が終わるまでにあなたに魅力を感じたらそうさせてもらうわ」
慣れてる奴との会話は楽でいい。色仕掛けで痛い目に遭うのはごめんなんだ。美人を無茶苦茶やって鳴かせるの嫌いじゃ無いけど。
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