Not Hero, I'm……

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「『エバーライト』……バカな野郎だな。 こりゃあ、俺に御呼びが掛かる訳だわ」 「……それでは依頼を請けて戴けるのかしら?Mr.御劔」 「んー、書類に提示されてる報酬金額が状況次第で色付けて貰うことになるか、降りることになるかもだけど。それでもいいなら」 「問題ないわ。 あなたの実力とエバーライトの戦力差を考えれば『降り』は無いはずよ」 「よく調べているんだなあ、クリス? なら交渉は成立、『エバーライト』抹殺依頼を請けるよ」 仕事の話をしてるときは淡々として言葉を交わしていた俺とクリスであるが、クリスは依頼を請けると俺から承諾を取れるとわずかに表情が弛緩する。瞬間だけ安心しきって気を抜いたようだが、すぐさま元に戻る。 「Mr.に質問があるのだけどいいかしら?」 「んー、答えるかどうかは内容によりけりだけど、何かな?」 俺は窓際からベッドの上に腰掛け、クリスの隣に座る。ただ距離は取って置き、視線は彼女に向けず正面の壁とにらめっこすることになる。 「何故、あなたは『ヒーロー』殺しをされているのかしら?」 「なんだそんなことか。全ては金の為さ。 君ほど美しい女を抱くのにも、最高級の酒を浴びるのにも、胃袋を満たす美味い料理を食うのにも金がいる。何をするにしても金が必要だし、金はいくらあっても困らないしな。 詰まらない答えだろ?クリス。 だけど、『ヒーロー』に恨みを持ってるヤツは悪党や犯罪集団だけではねぇし、 度が過ぎた活動に業を煮やしてるのも、疎ましく感じてるのも、震えて怖がってるのも常に『悪』では無いんだ。 俺はこの世のニーズに応えて、たった独りで起業して金を荒稼ぎしてるに過ぎないんだよなあ。 つまりはビジネス、それ以上の感情も事情も俺にはないよ。フフハハハははは」 マシンガントークで下衆な発言に少しくらい嫌悪感を示されるかと思ったら、クリスは「すてき」と小さく呟いて俺の隣に寄ってきて腕を掴んで、彼女の胸と頬を擦り付ける。 「キョーミ持ってもらえたのかな?」 「『ヒーロー』殺しの連中には無いタイプだから、私Mr.にトキメイちゃったみたい」 クリスには作為や裏のようなモノは感じられず、純粋に俺に関心を寄せているのが分かる。掴まれてない腕で彼女の髪と頭を撫でる。
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