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鉈峰さんは、そこで急に口を閉じ、少し目を伏せる 「どうしたの?」 「いえ、ちょっと考えていたのよ・・・・・・、どうして私は人を殺す、殺したいと思うんだろう、って。この間からずっとね。どうして通り魔なんてするのかしら、って」 「ふんふん、それで、結論は出た?」 「全然分からないわ・・・・・・、自分のことは自分が一番よく知っている、なんて所詮は戯言に過ぎないのね。あなたは、人を殺したい、って思ったことはある?」 「そりゃあもちろんあるよ、生きてるんだから」 「そう、その時、あなたはどんな感情で人を殺したくなったの?」 「んー、そうだな、やっぱり恨みつらみが一番多いよ。あとは嫉妬とか。あとこれは少しだけなんだけれど、物欲でも人を殺したい、って思ったことはあるかな」 「物欲?」 「そう、他人が何か、僕が欲しくて欲しくてたまらないものを持っている時とか」 「なるほど、でもそれは通り魔的には関係ないわね。全然参考にならないわ」 「そりゃごめん」 しかし生憎、僕には無差別殺人なんて危険極まりないクレイジーなことをする人間の思考なんてわからない 「でも、その様子からすると、鉈峰さんは快楽殺人鬼ではないのかな」 「快楽殺人?」 「そうそう、人を殺すことで『気持ちいい』とか感じる人。爽快感とかそう言うの」 「どうかしらね・・・・・・、わからないわ」 彼女に分からないものが、僕にわかるわけもない
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