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自分の部屋とは明らかに違う、机とイスと、テーブルの上のパソコンしかない、全く生活感がない、そんな部屋だった。
(とりあえず…、今は何時なんだ…?)
パソコンを立ち上げて確認してみる。
昼の12時ちょうど。パソコンの時計は確かにそう告げていた。
(もう昼か…。道理で腹が減っているわけだ…。)
食べ物を探すため、部屋の中を模索したが、何も見付けられなかった。
というよりは、本当に何もなかった。
パソコンとベッドとイスと…、本当にそれだけだった。
途方にくれた俺は、部屋の外に出ることにした。
ドアを開けるとそこには、たくさんの人がいた。
ざっと数えてみると100人はいるだろうか。
どうしてここまで人が集まっているのか、俺は何も分からなかった。
否、分かるはずがなかった。
「やっと最後の一人が起きたね。皆待ちくたびれているよ?」
いきなり言われても困るんだが…。
「まあいいや!さて、全員揃ったことだし、説明を始めさせてもらうよ!」
は…?説明?何をいっているんだ?
「君たちにはこれから、この[キリングキャッスル]で戦ってもらうよ。そして優勝した人には莫大な賞金が与えられる。ここまでは大丈夫かな?」
なるほど…。これが大会だったのか。
俺はいつの間にか会場に来ていたんだな…。
「負けたらそこでゲームオーバーだ。もちろんゲームの話じゃない。実際の君たちの人生が終わるんだ。」
ザワッ…
「え…どういうこと?」
「俺たちの人生が終わる…?」
おい待て…それって、まさか!?
「言い方が悪かったかな?負けた者はこの世とサヨナラするんだ。死ぬんだよ。これで分かったかな?」
…最悪だ。なんだこれおかしいだろ。
どう考えても大会とかじゃない。
「今この場にいるプレイヤーの数は、全部で128人。つまり7回勝つことができれば、賞金を受け取り、死ぬこともなくここから帰ることもできる。」
(…これはゲームなんかじゃない!ただの殺しあいだ…!)
そんな考えが頭をよぎった。相手を殺すか、自分が死ぬか、最悪の選択肢を目の前に転がされた。
「帰りたければ帰ってもいい。もちろん家じゃなくて…、土に還ってもらうけどね♪」
選択の余地もないじゃねえか…!
ここにいる皆に、人殺しをさせようって言うのか…!?
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