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――サワサワ……。サワサワ……。
オレも黙って歩いていたが優生も黙って歩いてる。オレと同じく優生も、何かを感じているのだろうか?
――サワサワ……。サワサワ……。
どうしよう。このままうつむき歩いているのも居心地悪くてたまらない。風の音が妙にイラつく。
――サワサワ……。サワサワ……。
さっきからなんなんだ。いちいち耳に入ってきてうるさい!
――サワサワ……。サワサワ……。
思わずキュッと拳を握る。なんだか異様に急きたてられる。
オレはとうとう居たたまれなくなってきて、とにかく口を開こうとした。
「あっ」
「あのさー」
その瞬間サワサワと二人の間を風が抜けた。
「…………」
「…………」
――サワサワ……。サワサワ……。
顔を見合わせ互いに止まった。
驚いた。あのさーってこちらから切り出そうと思ったら物の見事にダブってしまった。
ビクッ、なんて大きく肩が、絶対動いていたと思う。
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